鹿児島大学工学部先進工学科化学工学プログラムDepartment of Chemical Engineering

きめ細やかな教育システムEducation System

高校生の皆様へ

 私たちの生活は「化学」の力によって支えられています。たとえば、ハイブリッドカーにも、ガソリン、潤滑油、タイヤ、内装外装のプラスチック、メタリック塗装、リチウムイオン電池、制御コンピュータの半導体、液晶表示、LEDライト、エアバッグ、紫外線カットガラス、排ガス浄化触媒、酸素センサーなど多くの「化学」が関係しています。工業製品のみでなく、「化学」がなければ現代の農業は成立しません。また、医薬品にも「化学」が深く関わっています。目にすることはなくとも、いろいろなところで使われている機能性材料もそのほとんどは化学製品です。
「化学」は私たちの生活を豊かにしてきました。しかし、現在のライフスタイルを支えるために、多くの石油が消費され、二酸化炭素が排出されています。また、石油や金属などの資源は有限です。したがって、これからは新しい物質を作り出すだけでなく、効率よく合成し、不要なものをできるだけ作らないような方法を考え、それでも出てきた廃棄物は安全に除去・分解する方法も考えなければなりません。このような仕事は、工学の中でも「化学」の知識を持った研究者・技術者が中心となって行います。

 ただし、化学の知識のみでは間に合いません。現実に起きる現象は複雑で、化学的な現象と物理的な現象が組み合わさっています。また、ナノメートルの材料から百メートル規模のプラントまでが対象になります。このように複雑で多岐にわたる現象を総合的に扱える知識が必要です。そのため、本プログラムでは、「化学」の知識を役立てるための「工学」であるケミカルエンジニアリング(化学工学)を中心に勉強します。
私たちは、教職員と学生、学生同士のコミュニケーションを大切にする教育環境を整え、自分で考えることができ、健全な倫理観を身につけた技術者・研究者を育成することを目指しています。皆さんも私たちといっしょに、 地球の未来のために、新しい材料の創製やプロセスの開発といった夢を実現する工学を勉強してみませんか。

本プログラムの特徴

  1. 一学年35人という少人数制で教育を行います。きめ細やかなフォローができます。また、同級生、先輩そして先生との間にできるネットワークは、社会に出てからも役にたちます。これらは、少人数制の大きなメリットです。
  2. 化学工学は、化学系のエンジニアが企業で仕事をする上で必要な考え方を体系化した学問です。大学での勉強は、そのまま、将来の自分への投資となります。
  3. 卒業生など企業の研究者・技術者 による話を聴く機会を多数設けています。社会で活躍している方々の話を直接聴くことができるので、将来の進路を決めるための参考になります。
  4. 企業で必要とされることを勉強するため、企業への就職状況も極めて良好で、希望する学生のほぼ100%が就職しています。

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大学の化学系のプログラムについて

大学にはいくつもの学部があり、その学部の中に化学系のプログラムがあります。高校の化学の延長となる基礎的な勉強はどこでもできますが、将来、どのような仕事をするのかということを考えると、どの学部・プログラムに入学するかによって大きく違ってくる可能性があります。工学部には、大きく分けると「化学工学」を勉強するプログラムと、「応用化学」を勉強するプログラムがあります。また、理学部には「化学」のプログラムがあります。最近は個性のあるプログラム名が多く、分かりにくくなっていますが、これらのプログラムの違いについて簡単に説明します。
 まず、理学部の化学と工学部の化学についてですが、これは理学部と工学部が、それぞれ何を目 指しているか、ということにより違いが生まれています。 理学部は、真理の探究を目的としており、人類社会の持つ知識・知恵を拡大するためのものであるのに対して、工学は、人類社会が現在抱えている様々な問題を解決することを目的としたものです。
 また、工学部の化学の一つである化学工学プログラムの特徴は、その名の通り化学工学(Chemical Engineering)に関する教育研究を行い、ケミカルエンジニアを育成します。
 化学工学は工学的着想・解決策を与える学問分野であり、ケミカルエンジニアは環境問題やエネルギー問題の解決にも大活躍しています。