鹿児島大学工学部先進工学科化学工学プログラムDepartment of Chemical Engineering

水田研究室MIZUTA Laboratory

准教授:水田 敬 (MIZUTA Kei)

【専門分野】移動現象学、伝熱工学、可視化情報工学

  水田研究室は「熱・物質の移動特性と流体の運動を設計・制御する」ことを目的とした移動現象学を武器として、社会的な課題の解決を目指した実践的な研究開発を実施しており、これまでに多数の新技術を創出してきました。

【移動現象学を武器として創出された技術の一例】

  • 独自開発した二色LIF・PIV同時計測法により、気泡溶解時のpH・速度分布同時計測を実現
  • 独自製法の粉末状竹炭により高い硝酸性窒素除去性能を実現(ISO 21626-1:2020で引用)

  • なかでも、企業の方々との共同研究で創成された積層型ベーパーチャンバー「FGHP ®」(Fine Grid Heat Pipe。FGHP ® は四国計測工業株式会社の登録商標)は、種々のベーパーチャンバーの中で世界最高の伝熱性能を発揮し*、熱を拡散させる能力が銅の25倍にも達する**ということが、伝熱工学分野で著名な論文集であるApplied Thermal Engineeringにおいて認定されました(それぞれ、*2016, **2019)。また、20件を優に超える多数の特許を取得しています。
     この技術は半導体の熱問題解決の決定的なソリューションとなり得るものとして期待されています。たとえば、大光量LEDライトにおいては、FGHP ®によってLEDの熱問題を解決したことにより、従来のLED照明では不可能であったような超高緯度分野においても水銀灯の代替が可能となりました。これにより、これまでのLED照明ではパワー不足であったためLED照明の導入を諦めておられたENEOS喜入基地様においても、FGHP ®テクノロジーを用いたLED照明により超大型水銀灯(20 kW)の代替が可能となり、結果的に従来比で実に94%もの省エネを実現しながら、従来と同等以上の照度を実現しました(鹿児島大学環境報告書(2019))
     今後も、移動現象学を通じて、カーボンニュートラル社会の実現へ貢献するべく、教育・研究に取り組んでいきます。



    移動現象学でカーボンニュートラルに貢献

    研究室の特徴

     水田研究室は、どうすれば社会的な課題解決に貢献できるだろうか、ということを日々考えながら、新技術の創出に向けて研究活動を行っています。「新しいこと」=「誰もなしえていないこと」=「皆失敗してきたこと」という普遍的な事実に目を向け、「失敗とはチャレンジの成果である」という考え方を大事にしています。粘り強く、あきらめずにチャレンジし続け、得られた成果については化学工学の知恵を借りて体系化する、ということを目指して研究・教育に取り組んでいます。また、本研究室が少人数制であることの利点として、所属学生1人当たりの学会発表チャンスが非常に多いことが挙げられます。積極的なチャレンジを奨励していて、希望すれば国内外の様々な学会における発表を経験することができます。

    研究室のホームページ
    国際会議(ISChE2024)参加時の様子
    (左端:水田、左から3人目:柴田君)
    (二井研究室、田巻研究室の皆様と共に)

    教員紹介

    職名 准教授
    電話番号 099-285-8365
    e-mail kmizuta@cen. (末尾に、kagoshima-u.ac.jp を付加して下さい)
    担当授業 化学工学プログラミング, 数理・データサイエンス基礎, 移動現象I, 微分積分学II
    研究者総覧 鹿児島大学研究者総覧(研究テーマ、業績など)

    研究紹介動画