A. 平田研究室紹介
鹿児島大学大学院理工学研究科化学生命・化学工学専攻平田研究室には、平成
29
年
4
月時点で教授
1
名(平田)、准教授
1
名(鮫島)、助教
1
名(下之薗)の教員と、大学院博士前期課程学生
9
名、学部4
年生
10
名が所属している。また、
1999
年
6
月
-8
月には
Ceylon Institute of Scientific and Industrial Research, Sri Lanka
より研究官
1
名を受け入れて、電子セラミックス材料のプロセッシングと特性評価の研究指導を行った。
2000
年
9
月
-12
月にはドイツ、ダルムシュタット工科大学博士後期課程学生
1
名を受け入れ、コロイドプロセスの研究指導を行った。一方、国内の社会人を大学院生として受け入れ、修士号
1
名、博士号
3
名の学位取得者を世に送り出した。中国からは、
3
名の私費留学生を受け入れ、
3
名に修士号を2
名に博士号を取得させた。一般学生
5
名も博士号を取得している。これまで蓄積された研究室の成果は、
109
回の招待講演、
9
編の著書、
333
編の学術論文、および
85
編の解説・報告書・資料の形で社会に還元された。教育研究内容は、いずれも「高機能ファインセラミックスのプロセッシングと性質」に関係するものである。なお、本研究室は、京セラ(株)稲盛和夫名誉会長の出身の研究室を継承している。
平田研の教育目標は、次の能力を持った学生を育て、社会に有為の人物として送り出すことである。
(1)
自主・自立の確立、
(2)
視野の拡大、
(3)
チャレンジ精神、
(4)
高い課題解決力、
(5)
高い論文作成能力
学生は
11
の研究グループに属し、日夜、教育研究に励んでいる。先に書いた能力を学生に付与するために、研究室では週
1
回
3
時間の研究内容検討会と、週
1
回
3
時
間の研究室ゼミナールを行っている。そして、研究成果のまとまりつつある学生は、国内外の学会等に積極的に引率し、日本語あるいは英語による口頭発表をさ
せている。これらの学会やシンポジウムを通じて、学生はアカデミックな刺激を受け、大きく成長する。そして、それらの発表内容は英文の論文としてまとめ、
国内外の学術雑誌に発表している。
1999
年
4
月
-2009
年
3
月の約
10
年間にわたり、平田研究室は日本学術振興会拠点大学方式日韓学術交流事業(ファインセラミックス、拠点大学:大阪大学産業科学研究所)に協力大学として参加した。そのため、韓国から不定期的な教員、学生の来訪があり、
研究交流を深めた。また、こちらからも学生を引率し、年
2
回ほど韓国の大学を訪問し、研究内容を発表した。
2009
年
4
月からは3
ヶ年にわたり、日本学術振興会日中韓フォーサイト事業に(セラミックス関係)に参加した(拠点大学長岡技術科学大学)。また日本と韓国で毎年交互に開催される日韓国際セラミックスセミナーにも、学生を引率して参加している。
このような相互訪問は、異文化の理解を伴うために学生の視野の拡大に大いに役立っている。以上のような、研究室内外の活動を広く活用し、学生を大きく育てている。
B. これまでの研究成果の要約
これまで取り組んできた高機能ファインセラミックスのプロセッシングと性質に関する研究は次の5つに大別される。以下に詳細を説明する。
1. 高イオン導電性セラミックスの合成と物性
(1-1)β―アルミナの合成と電気伝動度(1978-)
高いナトリウムイオン導電性のβ―アルミナ(Na2O・5Al2O3~Na2O・11Al2O3)は発電所の余剰電力を蓄える高出力のNa-S二次電池の隔膜に活用できる(東京電力で実用化)。これまでβ―アルミナの粉体合成法として(1)金属塩水溶液を高温雰囲気中へ噴霧し、瞬時に酸化物へ変え る噴霧熱分解法と(2)金属アルコキシドを当量の水で分解する加水分解法を検討した。そして、合成した焼結体の電気物性と微構造の関係を明らかにした。
(1-2)希土類固溶セリアを用いた低温作動型固体酸化物燃料電池の開発
水素と酸素から水を生成するプロセスで発電を行う固体酸化物形燃料電池 (Solid
Oxide Fuel Cell, SOFC)は環境汚染の少ないクリーンエネルギーとして期待されている。そして、排ガスは熱エネルギーとして利用できる。現在、SOFCの電解質材料として、酸化物イオン導電体のイットリア安定化ジルコニア(Yttria-stabilized
Zirconia, YSZ)が用いられている。平田研究室では、シュウ酸塩共沈法で希土類酸化物を固溶させたセリア粉体(Rare-Earth-Doped
Ceria, RDC, Ce0.8R 0.2O1.9, R=Yb, Y, Gd, Sm,
Nd and La)を調製し、1500-1600ºCで緻密なセラミックスを合成した。この材料はYSZに比べて1桁高い酸化物イオン電導度を示した。さらに低酸素分圧下でのRDCの酸素イオン輸率、RDC電解質を用いた燃料電池の発電性能の評価を行っている。この研究では、独立行政法人産業技術総合研究所、神奈川工科大学、財団法人かごしま産業支援センター、鹿児島県工業技術センターとともに1995年より開発をすすめた。そして、平田研で合成された試料は産業技術総合研究所を経由して、オスロ大学(ノルウェー)、アルゴンヌ国立研究所(米国)、カリフォルニア大学(米国)に送られ、そこでも物性測定が行われた。
(1-3)バイオガス改質プロセスを利用した水素の製造と二酸化炭素の分解
低炭素社会の実現に向けて、未利用の国産バイオガス(CH4 60%、CO2 40%を含み、食物残渣、焼酎滓等からメタン菌により発生)を汎用性金属触媒に用いた多孔質酸化物イオン導電性セラミックスセルで電気化学的に改質し、
H2を瞬時に大量に合成するプロセスを2008年より研究している(CH4 + CO2 → 2H2 + 2CO)。副生したCOの一部をさらに電気化学セル内で水蒸気と反応させ、H2を得る(CO + H2 → H2 + CO2)。
生成するCO2はCH4に富むバイオガスへ循環させる。残りのCOは電気化学セルで処理し、固体炭素とO2へ分解する。すなわち、エネルギー問題と環境問題を同時に解決するプロセス開発を科学技術振興機構の支援の下すすめている。
2. ムライトの合成と物性(1981-)
金属材料の使用が困難な1000ºC以上の高温酸化雰囲気において、高い強度と優れたクリープ特性を示すシリカーアルミナ系化合物のムライト(3Al2O3・2SiO2)の粉体合成法と物性が研究された。SiとAlが原子レベルで均一に混合された金属アルコキシドの加水分解法が、シリカーアルミナ系のガラス相を含まないムライトの作製に適していることを証明した。また、気相法で合成した20-150 nmのムライト超粉体を焼結すると、室温で540 MPaの強度(世界最高値)を示し、1300ºCまでほとんど強度低下を起こさないことを明らかとした(論文は次のコロイドプロセスの項に収録)。さらにムライトには安定化ジルコニアと同様な酸素イオン空孔の存在とこれによるイオン導電性が予想され、そのことを実証した。
3. コロイドプロセスによるセラミックスの合成と組織制御(1985-)
紛体を液体に懸濁させたサスペンションを石こうなどの吸水性の高い型に注入し、固形分を成形体として取り出す鋳込み成形(コロイドプロセス)は、陶磁器、 食器、衛生陶器の成形に利用されている。この技術を基礎とし、アルミナ、ムライト、炭化ケイ素等の高純度ファインセラミックス粒子(0.1-1 μm)の液中での表面間相互作用および粒子表面と高分子及び低分子電解質(分散剤)の相互作用を解析した。その解析に基づいた湿式成形理論と実験を1985年から展開している。平田によるその成果は世界的に評価され、1997年には日本セラミックス協会学術賞が、また、1998年には米国セラミックス学会フルラース賞が授与された。最近では、炭化ケイ素―アルミナ―イットリア系の三成分系粒子を含むサスペンションの分散性、レオロジー、脱水速度、成形体密度、微構造、焼結性、力学特性を検討している。コロイドプロセスで作製した炭化ケイ素材料は800-900 MPaの4点曲げ強度と5-7 MPa・m1/2の破壊靭性を示した(世界最高水準)。通常の炭化ケイ素セラミックスの強度は400-500 MPaであり、平田研の開発材料は約2倍の強度を有することがわかった。また、10-50 nmの超微粒のファインセラミックス粉体の合成と成形技術の開発を進めている。このコロイドプロセスの研究では、呉羽化学、ワシントン大学(米国)、住友化学、白石工業、屋久島電工、ドレックスエル大学 (米国)、ダルムシュタット工科大学(ドイツ)と協力関係の下に遂行された。
4. 複合材料の開発
(4-1)著しく大きな破壊エネルギーと塑性変形能を有する高靭なファインセラミックス複合材料の開発
ファインセラミックス材料の応力―ひずみの関係は直線性を示し(弾性変形という)、わずかなひずみを経て破壊に至る。ファインセラミックス材料の安全性と 信頼性の改善に対して、高強度セラミックス長繊維をセラミックスマトリックスと複合することで、金属類似の延性破壊(応力―ひずみの関係が非線形曲線と なったあとに破壊がおこる)を達成している。平田研究室において、多孔質成形体の気孔にファインセラミックス前駆体溶液を含浸し、その後、これを熱分解し 気孔を緻密化させる無機高分子含浸・熱分解法(Polymer Impregnation and Pyrolysis
Method, PIP method)で長繊維強化複合材料を合成した。この材料は4点曲げ試験において竹のような大きな変形能を示し、完全な破断はおきなかった。その変形エネ ルギーは25 kJ/m2で、変形強度は300 MPa に達する。また、引き張り試験における破壊エネルギーは50 kJ/m2にも及ぶ。これらの値は世界最高の水準にある。この系の複合材料は航空機エンジンカバーをはじめとする軽量高温耐熱材料としての用途が考えられ ている。材料設計、組織観察等を通してドイツ宇宙航空研究機構、本学部機械工学科、京セラ総合研究所、宇部興産、住友化学工業と1995年より共同研究を実施した。
(4-2)耐熱衝撃性と耐摩耗性が大幅に改善されたファインセラミックス長繊維―鉄鋼系材料の開発
空気中、1000ºCに加熱し、そのまま氷水中に急冷しても破壊せず、さらに鉄鋼よりも硬度、強度が高く、極限環境下で耐え得る複合材料の開発を行った。このような材料は鉄系の合金にファインセラミックス長繊維を複合して得られることを理論と実験で明らかにしている。直径10ミクロンの酸化物長繊維を 鉄系合金粉末に30-40 vol%の割合で複合し、1000-1200ºCで加圧焼結すると相対密度96 %以上に緻密化した。この材料は、鉄系合金の2倍以上の耐摩耗性を示した。 また、1000ºCから急冷しても破壊することなく、急冷前と同等の強度を有していることが明らかとなった。1500ºC以上の高融点を有する金属とファイン セラミックス繊維との複合化に成功した報告はこれまで見当たらず、この複合材料の物性は世界に例を見ないものである。この研究では本学理工学研究科機械工学専攻、新日本製鉄、香蘭社、三島光産との共同研究を1997年-2003年に実施した。
(4-3)熱伝導度及び熱膨張率の理論的、実験的解析(2009年~)
熱伝導度と熱膨張率は良く知られた材料定数である。その本質を明らかにするために、これらの材料定数が他の材料定数とどのように理論的に関係付けられるかを明らかにしている。
また多相系複合材料の熱伝導度と熱膨張率を理論的に解析し、実験値と良く一致することを示している。
5. 南九州産天燃鉱物資源の工業的利用(1981-)
南九州に分布し地域による物理化学的な差が小さいシラスやケイ石に化学的処理を施し、有用でかつ付加価値の高いセラミックス系工業材料を得ることを目的とした研究である。シラスに関してはこれを主原料とするガラス、窒化ケイ素(Si3N4)及び炭化ケイ素(SiC)系構造用セラミックスの合成と性質が研究 された。一方、ケイ石からは耐火材料として用いられているケイ酸カルシウム水和物のゾノトライト(CaO・SiO2・1/6H2O)やメタノールをガソリンと水に変えることができるZSM-5ゼオライトを水熱反応により合成した。そして、実際、これによりガソリンが合成できることを実証した。
Hirata Laboratory, April 2009
Department of Chemistry, Biotechnology, and Chemical Engineering
Graduate School of Science and Engineering, Kagoshima University 1-21-40 Korimoto, Kagoshima 890-0065, Japan
1. Members
Yoshihiro Hirata, Professor, Dr. Eng.
hirata@cen.kagoshima-u.ac.jp, Phone(+81)99-285-8325, Fax(+81)99-257-4742
Soichiro Sameshima, Associate Professor, Dr. Eng.
samesima@kagoshima-u.ac.jp, Phone(+81)99-285-7709, Fax(+81)99-285-7709
Taro Shimonosono, Assistant Professor, Dr. Eng.
shimonosono@kagoshima-u.ac.jp, Phone(+81)99-285-8326, Fax(+81)99-257-4742
2. Research fields
Professor Hirata’s group has contributed greatly to the progress of Advanced Ceramic Processing through experimental research for 30 years, especially in the fields of (a) fast ion conductor (beta-alumina, rare earth-doped ceria), (b) glass-free mullite (3Al2O3-2SiO2), (c) colloidal processing of ceramic particles in the range from micrometer to nanometer size, (d) high performance ceramic matrix composites and (e) industrial applications of natural minerals (volcanic ash, silica stone, volcanic glass). His excellent works are reflected in the extremely high flexural strengths of structural ceramics investigated : mullite 540 MPa, Si3N4 whisker-mullite composite 750 MPa, SiC 1.1 GPa and alumina fibers-high speed steel composite 2 GPa. His research of colloidal processing published since 1985 has greatly influenced on the progress of wet forming in Japan. Recently he succeeded in the synthesis of highly productive electrochemical cell with oxide ion conductor for the reforming of CO2 with CH4 to produce clean H2-CO fuel (CO2 + CH4 = 2H2 + 2CO). In 1990, he succeeded in the formation of ZSM-5 Zeolite from natural siliceous stone which can produce artificial gasoline from methanol. In addition to experimental research, he contributed to the theoretical analysis of ceramic processing using some original models to establish ceramic processing science: (a) pore size distributions within powder compacts, (b) infiltration and pyrolysis of ceramic precursor in powder compact, (c) pressure filtration of flocculated particles, (d) colloidal phase diagram as functions of surface potential and particle volume, (e) electrophoretic deposition of charged particles, (f) particle formation by electrolysis of aqueous solutions using alternative current, (g) grain boundary conductivity of oxide ions of solid electrolyte, (h) densification of powder compact, (i) thermal conductivity of solid material with particulate inclusion, (j) factors affecting thermal shock of metals and ceramics, (k) thermal expansion coefficients of solid material with particulate inclusion. The developed theory can explain well the measured experimental results.
2-1 Synthesis and Electrical Properties of Ionic Conductive Ceramics
Recently a systematic research has been devoted to the powder processing (powder preparation, forming and sintering), electrical, thermal and mechanical properties of rare-earth-doped ceria for reducing the operation temperature of solid oxide fuel cell. In addition, Hirata’s group has advanced the research on the powder processing of anode and cathode materials of SOFC. He also proposed a conduction model of oxide ions at grain boundary of solid electrolyte. This model explains well the measured grain boundary conductivity of Gd-doped ceria electrolyte. Before the SOFC research, Professor Hirata contributed to the basic science of the processing of beta-alumina (sodium ion conductor) for the solid electrolyte membrane of high power density Na-S battery. He applied a spray-pyrolysis technique to prepare a sinterable submicrometer-sized beta-alumina powder and investigated its sintering behavior, microstructural development and electrical conductivity. Hydrolysis of mixed metal alkoxides was also studied to prepare MgO-doped beta-alumina single crystal particles of submicrometer-sized powder. He also developed the reaction sintering of beta-alumina from the Na2O-MgO-Al2O3 system formed by infiltration of the mixed NaNO3-Mg(CH3COO)2 aqueous solutions into the pores of alpha-alumina powder compacts. His group has recently developed an unique excellent porous electrochemical cell which can convert a biogas (mixed gas of CH4 and CO2) to a H2-CO fuel for a solid oxide fuel cell (CH4 + CO2 = 2H2 + 2CO). Furthermore, this type of electrochemical cell is also effective to decompose CO or CO2 gas to solid carbon and O2 gas, and can contribute to solve the problem environmentally-friendly energy.
2-2 Science of Mullite
Mullite (3Al2O3·2SiO2) is a basic and important compound in the binary SiO2-Al2O3 system. Glass-free mullite is reported to exhibit a high strength and a low creep rate until 1400°C in air. Owing to this reason, mullite is a candidate oxide for advanced high temperature structural materials. Hirata contributed to the powder preparation of glass-free mullite through hydrolysis of metal alkoxides and analyzed the densification of mullite. He also studied the transport number of oxygen ion in mullite to find a possibility of oxygen sensor at a high temperature. He also studied the synthesis of mullite/zircon composite through reaction sintering of kaolinite and zirconia.
2-3 Colloidal Processing of Advanced Ceramics
Hirata stayed at the laboratory of Professor Ilhan A. Aksay, University of Washington, during 1985-1987 to learn the colloidal processing in materials science. His background in chemistry and the new knowledge given in USA were coupled to produce 132 research papers on colloidal processing since 1985. These papers contributed to deepen the understanding of basic science of colloidal processing and showed the usefulness of colloidal processing in the microstructural control for monolithic ceramics and ceramic matrix composites. For example, the mullite formed by colloidal processing was found to exhibit an excellent flexural strength of 540 MPa after hot-pressing at 1500°C. Recent topic is the interaction of the colloidal silicon carbide-metal ion-oxide particles system in aqueous solutions. The SiC carefully produced from the bimodal SiC powders (0.8 micrometer and 30 nm SiC) with Al2O3-Y2O3 additives showed the significantly high flexural strengths of 1.1 GPa. Recently he succeeded in constructing the colloidal phase diagram in a map of surface potential and solid content of particles of 10–1000 nm diameters based on the combination of thermodynamics of colloidal suspensions and the DLVO theory. This phase diagram can predict the dependence of packing density on particle size. The experimentally-determined packing density agreed with the prediction from the phase diagram. The consolidation behavior of nanometer-sized particles at 20-800 nm was examined using a pressure filtration apparatus at a constant compressive rate or at a constant pressure. The relation of applied pressure (delta Pt)-volume of dehydrated filtrate (Vf) was compared with the established filtration theory for the well dispersed suspension. The theory was effective in the early stage of the filtration but deviation between the experiment and the theory started when delta Pt exceeded a critical pressure (delta Ptc). It was found that this deviation is associated with the phase transition from a dispersed suspension to a flocculated suspension at delta Ptc. Based on the colloidal phase transition, a new filtration theory was developed by Hirata to explain the delta Pt-ht (height of suspension) relation for a flocculated suspension. A good agreement was shown between the developed theory and experimental results. In 1997, Hirata received 51th Scientific Award of the Ceramic Society of Japan for the research “Synthesis and Microstructure Control of Ceramics by Colloidal Processing”. He was recipient of the Richard M. Fularth Award of the American Ceramic Society in 1998 for the research “Fundamentals of Ceramic Processing”.
2-4 Processing of High Performance Ceramic Matrix Composites
Continuous fiber-reinforced ceramic matrix composites with weak interfaces and small sliding resistance are effective in improving the brittle ceramics to perform a ductile behavior and a large work of fracture due to the interfacial debond and subsequent fiber pull out during crack propagation. Hirata developed the excellent laminated composite of the Si-Ti-C-O fabrics/mullite/polytitanocarbosilane system with 300 MPa of four-point flexural strength and 25 kJ/m2 of fracture energy. The processing and mechanical properties of alumina fiber-reinforced high speed steel matrix composite were also studied to improve the hardness and thermal shock resistance of high speed steel in the extreme conditions. The produced composite fractured in the plastic deformation range reaching 1 % strain and 2 GPa of flexural strength. He also joined SiC fabric including alumina or alumina-mullite particles to the surfaces of dense SiC compact using an intermediate SiC-Al2O3 or Al2O3-mullite powder layers under 2-39 MPa of applied pressure. The SiC fabric layers joined to oxidized dense SiC compact prevented the propagation of the cracks formed by Vickers indentor. As a result, no change in the strength was measured before and after the introduction of cracks. Hirata group recently has analyzed theoretically the mixing rule of thermal conductivity and thermal expansion coefficient of multiphase material. A good agreement was shown in the thermal conductivities or thermal expansion coefficients between the experiment and the theory for multiphase refractory materials.
2-5 Industrial Applications of Natural Minerals
He challenged the formation of SiC, Si3N4, ZSM-5 zeolite and carbon fiber-reinforced glass matrix composites from the natural minerals such as volcanic ash, natural silica stone or volcanic glass. Their properties were characterized to compare with those of high-purity artificial ceramics. This type of study gives us the understanding for the influence of impurities on the physicochemical properties. Recent research covers the processing, mechanical and thermal properties of light-weight porous composites with volcanic glass.
3 Record of publications
3-1 Research papers (total 333 on February 2015)
A. Fast Ion Conductor (92 papers)
B. The SiO2-Al2O3 System (16 papers)
C. Colloidal Processing of Advanced Ceramics (132 papers)
D. Composites (50 papers)
E. Industrial Applications of Natural Minerals (24 papers)
S. Others (19 papers)
3-2 Books 9 (8 in Japanese and 1 in English)
3-3 Review, Technical Reports and Technical Information, total 85
4 Awards (3)
(1) May 1997, 51th Scientific Award of the Ceramic Society of Japan, “Synthesis and Microstructure Control of Ceramics by Colloidal Processing”.
(2) May 1998, 21th Fulrath Award of the American Ceramic Society, “Fundamentals of Ceramic Processing”.
(3) April 2013, Wakabayashi Award for Outstanding Paper, The Technical Association of Refractories, Japan, ”Theoretical Analysis of Thermal Conductivity of Graphite-containing Refractory Brick”.
5 Committee Members : 95 committees
6 Invited Lectures : 109 lectures = 70 Japanese and 39 in English
The 39 lectures presented by English are listed below.
(1) March 1988, Y. Hirata and I. A. Aksay, “Particle Segregation during Colloidal Filtration”, International Workshop for Advanced Materials Technology, Ceramics, Japan Fine Ceramic Center, Nagoya.
(2) August 1988, Y. Hirata, “Fracture Toughness of Mullite Matrix Composites Prepared by Colloidal Processing of CVD Powders”, U.S./Japan Workshop on the Processing of Advanced Ceramics, Battelle Conference Center and University of Washington, Seattle, WA.
(3) April 1989, Y. Hirata, S. Matsushita, S. Nakagama, I. Haraguchi, N. Hamada, Y. Ishihara and S. Hori, “Dispersion and Consolidation of the Colloidal Suspension in the Oxide Powder-Silicon Nitride Whisker System”, Materials Research Society 1989 Spring Meeting, San Diego, CA.
(4) November 1989, Y. Hirata, S. Nakagama and Y. Ishihara, “Rheology of Silicon Nitride Whisker Suspension and Structure of Consolidated Whisker Compact”, International Symposium on Fine Ceramics Arita '89, Saga Prefectural Government.
(5) October 1990, S. Somiya and Y. Hirata, “Present Status for Research and Development of Mullite Powders and their Application in Japan”, The American Ceramic Society 43rd Pacific Coast Regional Meeting, Seattle, WA.
(6) November 1991, Y. Hirata, “Science and Technology of Colloidal Processing”, International Symposium on Fine Ceramics Arita '91, Saga Prefectural Government.
(7) April 1992, Y. Hirata, “Synthesis of Monolithic Ceramics and Whisker Reinforced Ceramic Matrix Composites Using Colloidal Processing”, Department Seminar, Department of Materials Science and Engineering, University of Washington, Seattle, WA.
(8) July 1994, Y. Hirata, “Colloidal Processing”, Eighth Cimtec World Ceramic Congress & Forum on New Materials, Florence, Italy.
(9) November 1995, Y. Hirata, K. Hidaka and H. Matsumura, “Colloidal Processing of Silicon Carbide”, 47th Pacific Coast Regional Meeting of the American Ceramic Society, Seattle, WA.
(10) November 1995, Y. Hirata and Y. Yamashita, “Processing and Mechanical Properties of Continuous Fiber Reinforced Mullite Matrix Composites”, 47th Pacific Coast Regional Meeting of the American Ceramic Society, Seattle, WA.
(11) October 1997, Y. Hirata, N. Numaguchi and W. H. Shih, “Dispersion and Consolidation of Ceramic Particles”, International Symposium on Novel Synthesis and Processing of Ceramics, Kurume.
(12) May 1998, Y. Hirata, “Processing and Properties of Rare Earth–Doped Ceria Ceramics, R. M. Fulrath Symposium”, The American Ceramic Society's 100th Annual Meeting & Exposition, Cincinnati, Ohio.
(13) September 1998, Y. Hirata and H. Wakita, “Electrical Properties and Particle Structures of Alumina Suspensions”, the 1st International Symposium on Inter Materials in conjunction with the 2nd International Nano Ceramics Forum, Osaka.
(14) November 2000, Y. Hirata, “Processing and Electrical Conductivity of Rare-Earth-Doped Ceria”, The 17th Korea-Japan International Ceramics Seminar, Pusan, Korea.
(15) May 2001, S. Sameshima, H. Wakita and Y. Hirata, “Oxygen Partial Pressure Dependence of Electrical Conductivity of Rare-Earth-Doped Ceria Ceramics”, 2001 International Nano Ceramics/Crystals Forum and International Symposium on Intermaterials (NCF 5 & IMA 5), Seoul, Korea.
(16) March 2002, Y. Hirata, “Colloidal Suspension of Ceramics, Department Seminar”, Department of Materials Science and Engineering, Core University Program between Japan and Korea, Kyongsang National University, Chinju, Korea.
(17) March 2002, Y. Hirata, S. Sameshima, H. Sueyoshi, S. Uchida, “Production of Long Fiber Reinforced Metal Matrix Composites”, US-Japan Workshop, Low Cost Production of Ceramics and Related Materials, Osaka, Japan.
(18) July 2002, Y. Hirata, S. Tabata and J. Ideue, “Surface Chemistry of the Silicon Carbide-Polyacrylic Acid-Yttrium Ions System”, 10th International Ceramic Congress & 3rd Forum on New Materials (CIMTEC2002), Florence, Italy.
(19) August 2002, Y. Hirata, T. Maeda and T. Ono, “Impregnation and Pyrolysis of Polytitanocarbosilane in an Si-Ti-C-O Fabric/Mullite Porous Composite and Tensile Strength of the Densified Composite”, 2002 International Nano Ceramics/Crystals Forum and International Symposium on Intermaterials (NCF6 & IMA6), Seoul, Korea.
(20) November 2002, Y. Hirata and N. Hidaka, “Synthesis of Silicon Carbide Ceramics with 800 MPa of Flexural Strength Using Colloidal Processing”, The 19th Korea-Japan International Seminar on Ceramics, Seoul, Korea.
(21) September 2003, Y. Hirata and R. Dong, “Processing and Mechanical Properties of Fiber-reinforced Oxide Matrix Composites with High Damage Tolerance”, The 5th International Meeting of Pacific Rim Ceramic Societies (Pac Rim 5), Nagoya, Japan.
(22) March 2006, Y. Hirata, Y. Tanaka, K. Kishigawa, M. Nakamura, Y. Sakamoto and M. Miyamoto, “Forming of Aqueous Ceramic Suspension by Pressure Filtration”, The First International Workshop on Forming and Related Processing for Advanced Ceramics, Nagoya, Japan.
(23) June 2006, Y. Hirata, Y. Tanaka and Y. Sakamoto, “Pressure Filtration of Aqueous Suspension of Submicrometer-sized Alumina”, 11th International Ceramics Congress and 4th Forum on New Materials, CIMTEC 2006, Sicily, Italy.
(24) June 2006, Y. Hirata, T. Maeda, K. Hayata, J. Sugimoto, T. Matsura, S. Sameshima, T. Yoshidome, R. Dong and M. Shibuya, “Processing and Mechanical Properties of Woven Fabric (SiC and Aluminosilicate)/Mullite Filler/Mullite Precursor Laminates by Polymer Impregnation and Pyrolysis Method”, Mullite Workshop 2006, University of Vienna, Austria.
(25) November 2007, Y. Hirata, N. Matsunaga, N. Hidaka, T. Maeda, T. Arima, S. Sameshima, “Improvement of Strength, Weibull Modulus and Damage Tolerance of SiC”, The Sixth Pacific Rim International Conference on Advanced Materials and Processing (PRCIM 6), Jeju Island, Korea.
(26) November 2007, Y. Hirata, N. Matsunaga, N. Hidaka, S. Tabata and S. Sameshima, “Processing of High Performance Silicon Carbide, JSPS International Meeting Series”, 2nd International Symposium on SiAlONS and Non-Oxides, Ise-Shima Royal Hotel, Mie, Japan.
(27) October 2008, Y. Hirata, Y. Terasawa, N. Matsunaga, S. Sameshima, “Development of Electrochemical Cell with Layered Composite of the Gd-Doped Ceria/Electronic Conductor System for Generation of H2-CO Fuel through Oxidation-Reduction of CH4-CO2 Mixed Gases”, The 1st International Symposium on Hybrid Materials and Processing, HyMaP 2008, Busan, Korea.
(28) April 2009, Y.Hirata, N.Matsunaga, S.Sameshima, Phase Diagram and Consolidation of Collidal Nanoparticles, 5th Fulrath Memorial International Symposium on Advanced Ceramics, Tokyo.
(29) October 2009,Y.Hirata, N.Matsunaga, S.Sameshima, Phase Transition and Consolidation of Collidal Nanoparticles, Symposium: Controlled Processing of Nanoparticles-Based Materials and Nanostructured Films, Materials Science and Technology 2009, Pittsburgh, USA.
(30) June 2010,Y.Hirata, K.Matsushima, S.Baba, N.Matsunaga,S.Sameshima, Theoretical and Experimental Analyses of Colloidal Processing of Nanoparticles, 12th International Cermics Congress, CIMTEC, Abstract CA-2 :IL 11,Montecatini Terme, Italy
(31) November 2010,Y.Hirata, N.Matsunaga, S.Sameshima, Densification, Phases, Microstructures and Mechanical Properties of Liquid Phase-sintered SiC, 3rd International Congress on Ceramics (ICC3), in conjunction with 4th International Symposium on Advanced Ceramics (ISAC-4), Abstract S14-026, Osaka, Japan
(32) July 2011, Y.Hirata, N.Matsunaga, J.Yoshitomi, T.Katayama, Theoretical and Experimental Analyses of Thermal Conductivity og Graphite-conataining Refractory Brick, The 9th International Meeting of Pacific Rim Ceramic Societies, PacRim 9, Cairns, Australia
(33) March 2012, Y.Hirata, N.Matsunaga, J.Yoshitomi, T.Katayama, Theoretical Analysis of Thermal Conductivity og Graphite-conataining Refractory Brick, Seminar, Department of Materials Science and Engineering, Yonsei University, Seoul, Korea
(34) September 2012,Y.Hirata, T.Fukunaga, N.Matsunaga, S.Sameshima,
Influence of Pressure on Filtration of Aqueous Alumina Suspensions, The Fourth International Conference on the Characterization and Control of Interfaces for High Quality Advanced Materials, Kurashiki.
(35) November 2012, Y.Hirata, M.Ando, N.Matsunaga, S.Sameshima,
Electrochemical Decomposition of CO2 and CO Gases Using Porous Yttria-stabilized Zirconia Cell, The 29th International Korea-Japan Seminar on Ceramics, EXCO in Daegu, Korea
(36) April 2014, Y.Hirata, Understanding of Microstructure Development in Ceramic Powder Processsing, Invited Seminar, Korean Institute of Materials Science, Changwon, Korea
(37) June 2015, Y.Hirata, S.Sameshima, T.Shimonosono, Electrochemical Devices with Oxide Ion Electrolytes for Formation of Hydrogen and Decomposition of Carbon Dioxide from the CH4- CO2 Mixed Gas, 11th International Conference on Ceramic Materials and Components foe Energy and Environmental Applications (CMCEE-11), The American Ceramic Society, Vancouver, Canada
(38) July 2015, Y.Hirata, Representation of Thermal Expansion Coefficient of Solid Material with Particulate Inclusion, The 5th International Conference on the Characterization and Control of Interfaces for High Quality Advanced Materials and the 51st Summer Symposium on Powder Technology, Kurashiki, Japan
(39) August 2015, Y.Hirata, Theoretical and Experimental Analyses of Thermal Expansion Coefficients of Metals and Ceramics, 11th Pacific Rim Conference of Ceramic Societies (PacRim 11), Jeju, Korea
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