低エネルギー分離技術の創生 / 高性能冷却システムの開発 / 二色LIF法によるスカラー分布測定 / 粉末状竹炭による飲料用原水の浄化

硝酸性窒素汚染の進む飲料用原水


 Fig. 竹材加工時に発生する削りくずから作製される竹炭
 近年, 上水・簡易水道等の飲料用原水の汚染が進んでいる。 汚染物質は多岐にわたるが, 中でも, 国が定めた基準値に対する 超過率が最も高く, 対策が急務とされているものに硝酸性窒素がある。 硝酸性窒素は, 発ガン性物質ニトロソアミンの生成や, 生後6ヶ月未満の乳児にみられるメトヘモグロビン血しょうの発症など, 健康へ深刻な影響を与えることが報告されている。
   そこで, 本研究室では, 鹿児島県に豊富に存在する竹を用い, 硝酸性窒素を除去する飲料用原水浄化システムを開発することにより, 生活に密接に関係する環境問題の解決に資することを目的として研究を行っている。

高い硝酸性窒素除去性能を示す竹炭


 Fig. 市販活性炭に対して高い硝酸性窒素除去性能を示す粉末状竹炭 (○:20℃, △:15℃, □:10℃)
  (Kei Mizuta et al., Bioresource Technology 95 (2004) 255-257)

 上の図は, 吸着実験を開始してから十分時間が経過した後に測定した, 単位炭質量あたりの硝酸性窒素吸着量を示す(上に行くほど吸着量が多い=吸着性能が高い)。  この図より, 本研究室で作製した竹炭は, 市販されている標準的な活性炭と比較して約115%の吸着量を示しており, 硝酸性窒素に対して非常に高い吸着除去性能を有することが明らかとなった。

実用化に向けて

 粉末状竹炭を用いた飲料用原水浄化システムの実現に向け, 現在は多段連続型硝酸性窒素除去装置を作製し, 硝酸性窒素除去性能を実験的に調べている。 また,本装置の最適設計手法を確立するために, 硝酸性窒素除去特性評価シミュレーションをあわせて行っている。

竹炭関連研究開発成果

粉末状竹炭を用いた飲料用原水から硝酸性窒素の除去
「Removal of nitrate-nitrogen from drinking water using bamboo powder charcoal」
Bioresource Technology, vol. 95, Issue 3, 2004, pp. 255-257 (ELSEVIER)

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